学術研修とは

平成22年度から、広島県鍼灸マッサージ師会は、生涯学習認定制度を実施しています。

広島県鍼灸マッサージ師会会員で年間で25単位以上を認定されると東洋療法研修試験財団から生涯研修修了証が交付されます。

学術研修会は、一つの分野に固着せず、幅広く多角的に活用しやすい内容で開催しています。

学術研修会報告

第18回東洋療法推進大会in神奈川  報告

令和元年10月20日〜21日 (広島県師会参加者:山田会長、木村監事、岡田副会長、郷田副会長)

 

時代は平成から令和へ変わり、新時代へと進み、我々あはき業界も新時代に向け、業界のさらなる躍進を求め研修するため、

北は北海道、南は沖縄まで全国各地より多くの会員がこの日集まった。

 

今回の神奈川県大会のテーマは「令和元年 未病治宣言」でした。

テーマの由来は平成29年3月に「かながわ未病改善宣言」が発表されたことにあり、

健康寿命を延伸するために、神奈川県では未病を改善する取り組みが進められている。

病気になってしまう前に養生をして健康状態を取り戻すことが未病治であり、東洋療法の神髄とも言えるであろう。

病気を予防し元気で生きるための対策として総合的な研修を重ねるため、今回の特別公演は「未病と栄養学」でした。

【特別講演 未病と栄養学】 神奈川県立保健福祉大学学長 中村 丁次 先生

「人は食べないと死に、食品選択が偏ると病気になる」

このことを科学的に解明したのが18世紀ヨーロッパに誕生した栄養学である。

栄養学は、生命の営みにはエネルギーと栄養素が必要であることを明らかにし、

200年かけて約40種類の栄養素を発見し、その機能と食品の含有量を明らかにしてきた。

我が国が栄養学を導入したのが150年前の明治維新の時であり、

その後、 栄養学は富国強兵の国策に活用され、

戦前、 戦後の主食偏重の食習慣と食糧不足による低栄養、

さらに高度経済成長後の食事の欧米化による過剰栄養の問題を解決してきた。

一方、我が国には陰陽五行説を基盤とした東洋医学の中で、

食養生が長きにわたり国民の健康を支え、中国最古の医学書「黄帝内経」にはじめて「未病」という言葉が登場した。一般に未病とは、未だ病気に至らない状態、つまり自覚症状はないが検査では異常がある状態や自覚症状はあるが検査では異常がない状態など、健康と病気の中間、いわばグレーゾーンと考えられている。

 

近年、黒岩神奈川県知事は、未病には、従来の医学モデルのように健康と病気を区分するのではなく、連続的に変化するグラデーション状態であるとする概念を提唱し、 行政政策に発展させている。確かに、人間の心身の状態は、多様で、健康だとしても、全ての臓器が完全に正常な者は存在せず、逆にどのように病気や障害があったとしても、正常な臓器や機能は残存し、傷病者でも健康的に生きることができる。つまり、未病には、健康で自立した生活ができていながら、病気に近づきつつある状態と同時に、病気だとしても、より健康に近づきつつある状態も存在することになる。

従って、未病対策とは、現時点がどのような状態だとしても、「より健康になろう、 より健康に生きよう」とする人々を支援することだと考えられ、それは疾病の保健 (一次予防)、医療(二次予防)、福祉 (三次予防)を包括化した予防対策だと言える。

栄養とは、生体が飲食物から生命に必須な成分をとり入れ、生命活動を営む現象を言い、その主成分を栄養素と定義している。

人体の構成と活動の成分が栄養素であることから、栄養は心身の健康を維持する基盤であり、未病対策には最も重要な項目となる。近年の栄養学の進歩は、栄養障害が保健、医療、福祉のみならず、貧困、教育、ジェンダー、労働、成長、不平等、そして気候変動等、多様な領域に関係していることを明らかにした。もはや栄養は単に生命を営み、命を保証し健康を増進することだけではなく、人間の営みのあらゆる領域の基盤になることが解明されつつあり、今後、近代科学としての栄養学と、精神、文化、さらに環境との包括概念を有した東洋医学との連携が期待され、東洋医学の知恵を取り入れることで長寿社会が実現するだろう。

特別講演「東洋医学の将来性」~政治家二階俊博論~】 

政治ジャーナリスト 森田実先生 

森田先生が自分自身の経験から、手術ではなく東洋医学の治療で自分の体調を改善した、

そのご縁で ご講演して下さいました。
今後も東洋医学の魅力を発信していきたいとのお気持ちを熱弁された。

災害とスキンタッチ~発災急性期から慢性期まで

いつ起こるか予想もつかない災害に対し日頃から何を準備したらいいのか、資材、知識、心づもりなどをそれぞれの立場から検証された。今回の分科会では熊本地震から北海道東部胆振地震まで実際に現地で活動を行った経験から学んだことをディスカッションした。今後の活動に役立つことだろう。また仮設住宅で活動したことが地域包括ケアシステムでの鍼灸師·マッサージ師の活動に繋がることだろう。

杉山検校和一と江の島】 歴史研究家 内海恒雄先生

杉山和一は、慶長15年(1610年)、伊勢の国藤堂家家臣の杉山重政の嗣子として生まれたが、幼少期に流行病にり患し視力を失った。その後鍼術を志し山瀬琢一に入門するが破門され、江の島の弁財天(古来盲人の守護神として崇められていた)に参寵し、断食修行の満願の日、福石に題き、このとき管鍼と松葉誠を考案したとされる。その後京都へ赴き、入江豊明のもとで修業を重ね、61歳で検校となり、73歳で鍼治学問所を興す。76歳になり、将軍徳川綱吉に召され鍼治療をし、病を治したことから、以来将軍家に登用され、元禄5年に初代関東総検校に任じられる。後に「杉山流鍼治導引稽古所」を開き、視覚障害者の生業の道を開いた。この功績に対し、和一が将軍から本所一つ目に3,000坪の土地を賜った逸話は有名である。85歳といいう当時としては記録的な長寿であった。杉山和一の墓は、江の島にあり、 市指定史跡となっている。杉山和一により、視覚障碍者の東洋医学への職業が確保され、 視覚障害者の教育を世界でも早くから始めたと言っても過言ではない。

シンボジウム「地域に貢献し生き残れる施術所を目指して」

株式会社フレアス  代表取締役社長 澤登 拓 氏 / 秦鍼灸施術所  秦 章 先生

・あん摩マッサージ指圧・・・地域で市民権を得るためには・地域の医師との連携を深めるためには・今後の課題について など

・鍼灸・・・地域の医師との連携により同意書拒否を回避した事例・今後の課題について など

上記の項目について多くの意見が交わされた。端的なまとめとして信頼性を高め治療家である自分を知ってもらう努力が必要である。自らをオープンして、積極的に自分の存在をアピールしていくべきである。

あはき広告ガイドラインの展望
今年も厚生労働省 医政局医事課 医事専門官 松田芳和様を講師にお招きし、既に7回行われている「あん摩マッサージ指圧師、 はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」について、これまでの議論を踏まえた概要と今後の展望について、 有意義な ご講演をしていただいた。保険組合、医師など各方面から様々な意見が出ており、また 無資格者のみでなく、医療関係、例えば、理学療法士、看護師なども、グレイゾーンを含めて議論していく必要があり、なかなか、とりまとめは難しいが厚労省はガイドラインを作成して全国に徹底していく構えである。

質疑応答の際に本会からは副会長の郷田と岡田が松田専門官に以下の質問をした。

①広島県師会は今年だけで約30件の違法広告を保健所に通報して、是正指導をお願いしましたが、再三にわたる保健所の指導を無視し続ける確信犯もおり、手をこまねいております。保健所も120万都市広島内に医療機関は何千とあるものの、それらを監督する職員がたったの5人しかおらず、手が回らないとのことで、これでは受療者の施術所選択の公平性は保てておらず、また視覚障害の先生方には圧倒的に不利な状況であります。

保健所は罰則公使の事例がなく、今後も電話指導で是正をしていくとのことですが、

全国では罰則事例はあるのか教えて頂きたい。

返答:罰則事例は各保健所の管轄で厚労省には届いていないが、

北海道の整骨院が広告違反で摘発された事例は有名である。

保健所の職員が少ないことは厚労省としても問題視している。

そのため、受託業者による監視を検討している。

②メディアの不適切な報道に関して総務省に申し入れをする考えはあるか。

返答:厚労省内での検討会に総務省の職員が聴聞に来ていた。

リラクゼーションについては、経済産業省にも働きかけていく必要がある。

視覚障害あはき師の施術所経営と臨床
視覚に障害があるために鍼灸マッサージ療養費の請求を諦めがちになりますが、パソコンの読み上げソフトを使えば、

ある程度の所までレセプト作成が可能になります。このソフト開発に尽力した会員が概要について説明しました。
また、パソコンを使わないで代筆をお願いする場合においても視覚障害者はレセプト全般の書式を理解している必要があり、

保険者から問い合わせがあった時にも答えられるようにしておくことが大事である。全師会、保険委員会より配布された書類の点訳に取り組む視覚障害委員がお話しされました。視覚障害者が充実した仕事をするための情報源となった。

全鍼で、電話相談も行っているので、利用してみてはいかがでしょうか。

地域包括ケアで減灸マッサージ師に期待する役割
地域包括ケアシステムとは、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が切れ目なく一体的に提供される体制のことです。
今後急速に進む少子高給化社会をいかに豊かで幸福な生活を過ごすことが出来るのか?
疾病を抱えても、住み慣れた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けられることが望まれています。
その為には医療介護福祉の連携が重要となり、包括的かつ持続的な支援が必要となる。

我々、 鍼灸マッサージ師が地域の重要なインフラとなる為にはどのような知識と技術が必須となるのか?
地域から何を期待されているのか?厚生労働省老健局の担当官を講師に迎え講義していただいた。
地域のかかりつけ鍼灸マッサージ師として活躍出来る道筋となった。

次回、第19回東洋療法推進大会の開催地は徳島です。令和2年9月27日(日)~28日(月)JRホテルクレメント徳島にて開催予定。

令和1年度 第36回広島県鍼灸学術大会 報告 

 

事業部副部長 大谷 芳貴

令和元年9月29日(日)10時〜16時、朝日医療専門学校広島校にて第36回広島県鍼灸学術大会が、

(公社)広島県鍼灸師会主催のもと開催されました。今回の学術大会では、午前の部で行われた一般発表にて本会から

座長の岡田佳広の進行で事業部副部長の大谷 芳貴が「経絡テストを用いた鍼灸治療の一例」についての演目を発表しました。

人の体は1つの関節の動きといえども全身の動きと連動し、同時に他の関節の影響も受けています。

一連の動きに関わる部位に何らかの制限が加わると、全体としての動きの調和ご妨げられ、

病変が存在しない部位に痛みが生じる事も起こりうると考えました。

東洋医学の経絡は、多関節の動きの相互関連を分析でき、かつ治療する事で経絡相互の調和の破綻からくる動きの異常を

修正する事が出来ると考えられています。今回の発表では向野義人先生の経絡テストを用い、

被験者の動きの変化を確認したので報告しました。経絡テストで痛みの根本原因を探り、

その部位を施術する事によって体全体の動きが良くなり、あらゆる痛みに効果を出すことができました。

午後の部では「子午法の臨床的応用~子午流注は臨床の要~」経絡治療学会九州支部 要信義先生の特別講演がありました。

子午治療の座学の後実技講習が行われ肩や腰の痛みに対しての針治療など内容の濃い特別講演でした。

広島県鍼灸学術大会は毎年行われています。研究発表や実技講習などで知識や情報を得ることが出来るので、

1度足を運んでみてください。

また日々行う施術で得た実績、事例などございましたら、この大会の発表の場を活用してみてください。

令和1年度 学術研修会等報告


第2回 学術研修会報告
 

学術副部長 尾野 龍一


令和元年9月8日(日) 10時~15時、広島市南区民文化センターにて令和元年度第2回学術研修会を開催しました。

参加者数は50名(内学生21名)でした。


今回はテーマを「 症例から学ぶ悪性疾患の鑑別法 」「 東洋医学と西洋医学:どちらが本質治療に近いのか 」とし、

杏林堂(東京都新宿区)院長、(公社)全日本鍼灸学会顧問、(公社)日本鍼灸師会会長、

日本鍼灸師連盟副委員長の小川卓良先生をお迎えして行いました。


「 症例から学ぶ悪性疾患の鑑別法 」では、鑑別の対象となるのは、鍼灸師が治療を行うにあたり、

鍼灸治療を継続することによって患者(及び鍼灸師)に不利な状況を招く場合や、西洋医学と併用すべき病態、

症状の改善が見込めるが手術等が必要な病態などがあること、内臓性病変の鑑別法などを学びました。

そして症例をもとに悪性疾患の鑑別、特に癌についての鑑別を学びました。


質疑応答の後、引き続き「東洋医学と西洋医学のどちらが本質治療に近いのか」の講演に入りました。

現在では当たり前に行われている、様々な服薬(解熱鎮痛剤、降圧剤、コレステロール低下剤など)、

レントゲン、CTなどの画像検査、インフルエンザなどの予防接種が人間にとって有害であるかということを

様々なデーターや諸外国との比較から解説され、衝撃をうけました。

これに対し、鍼灸治療のほうが西洋医学と比べ未病、健康維持・増進、終末期医療に適応するなど適応範囲が広く、

本質的治療であることがわかりました。


平成22年度から広島県鍼灸マッサージ師会は、生涯学習認定制度を実施しています。

島県鍼灸マッサージ師会会員で年間25単位以上認定されると、東洋療法研修試験財団から生涯研修修了証が交付されます。

令和1年度 学術研修会等報告


第1回 学術研修会報告
 

学術副部長 尾野 龍一

令和元年7月14日(日) 11時~15時、広島市西区民文化センターにて令和元年度第1回学術研修会を開催しました。

参加者数は36名(内学生19名)でした。

 今回はテーマをスポーツトレーナーに関心がある方にお勧めの「 経絡テストとM-Test 」とし、

ケア・ワークモデル研究会会長、福岡大学名誉教授の向野義人先生をお迎えして行いました。

 

午前は、M-Test(経絡テスト)の概要説明がありました。M-Testでは経絡分布と身体の動きを関連づけ、

診断・治療を行うことを特徴としています。身体の動きには伸展側と収縮側がありますが、

伸展側を伸びやすくすることを治療の主たる目標としています。

身体の動きを上半身と下半身の2つと、前面、側面、後面の3つの計6つのブロックに分け、

それぞれのブロックに表裏経を当てはめていき、その経絡を伸展させる動きを行わせます。

それにより症状が引き起こされる場合を陽性とし程度を主観的な尺度で0~10までの11段階でスコア化していき、

治療すべき経絡、経穴を決定していきます。

午後は、午前の内容に関する質疑応答の後、参加者同士でお互いにM-Testを行っていきました。

上半身の動きのチェックを行い、それにより引き起こされる一番強い症状を探します。

そこから経絡、経穴を絞っていき、軽く押さえた状態で症状が減弱する経穴を探し、そこに円皮鍼を貼りました。

同様に下半身も行いました。

デモンストレーションも見せていただき症状が改善していく状況を見ることができ大変参考になりました。

平成22年度から広島県鍼灸マッサージ師会は、生涯学習認定制度を実施しています。

広島県鍼灸マッサージ師会会員で年間25単位以上認定されると、東洋療法研修試験財団から生涯研修修了証が交付されます。

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