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令和2年度 会報 音声読み上げ用

会長挨拶

会 長  山田 健三

 

 

新年明けましておめでとうございます。

 

新たな気持ちで新年を迎えられ、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。

皆様には、常日頃より本会の運営にあたり、ご支援・ご協力をいただきまして、感謝申し上げます。

 

昨年は、世界的に新型コロナウィルスが蔓延し、多方面に甚大なる災いを引き起こし、まだ収束に至っていないことは気がかりなことです、1日も早く収束し安心して生活がおくれるよう祈るばかりです。また、本会の行事においても、例年のボランティア活動も全て中止となり、学術研修会も延期したりして、参加者も少なく活動が制限されました。

 

昔から「災い転じて福となす」と言われますが、国民一人ひとりが知恵を出して、コロナ禍を乗り越えて行かねばならないのです。日々の生活の中で、遭遇する社会現象において、私たち治療家は何をすべきなのかを常に考えて行動することが必要だと思います。

 

「予防は治療に優る」・「養生は予防に勝る」と言いますが、私たち治療家が率先して、食養生を初めストレスなどへの対処法を身に着け免疫力を高め、鍼灸マッサージも含め社会に普及させることも必要と思います。

 

私たち業団は、人々の健康維持のために、使命感をもって日夜努力していきたいと思っておりますので、皆様の更なるご支援・ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

本年は皆様にとって良い年になりますよう、お祈り申し上げます。

 

 

 

・・・・・・ 「令和2年度通常総会資料」 ・・・・・・

コロナの影響のため、開催せず、全会員へ総会資料を配布

 

第1号議案、平成31年・令和元年度会務並びに事業報告の審議と承認

第2号議案、平成31年・令和元年度決算報告の審議と承認

第3号議案、令和2年度会務並びに事業計画の審議と承認

第4号議案、令和2年度予算案の審議と承認

第5号議案、会員提出議題に関する件

第6号議案、その他

  

 

●平成31年・令和元年度 会務並び事業報告

(自 平成31年4月1日、 至 令和2年3月31日)

 

4月14日 ・・・監査会 / 山田はり治療院

5月12日 ・・・通常総会 / 広島市心身障害者福祉センター 2階会議室

5月26・27日 ・・・(公社)全日本鍼灸マッサージ師会定期代議員総会、連盟総会、

             日本鍼灸マッサージ協同組合総会 / ホテル・ルポール麹町

6月2日 ・・・ 第1回理事会 / 竹辺鍼灸院

6月29・30日 ・・・ 「第6回中国地区鍼灸マッサージ協議会」 / 広島アステールプラザ

7月14日 ・・・ 第1回学術研修会 / 西区民文化センター、講師:向野義人先生

8月25日 ・・・ 第1回常任理事会 / 竹辺鍼灸院

9月1日 ・・・ 第15回廿日市市・大竹市障がい者ふれあい交流スポーツ大会」 

          施術ボランティア / 廿日市市スポーツセンター・サンチェリー

9月8日 ・・・ 第2回学術研修会  / 南区民文化センター、 講師:小川卓良先生

9月29日 ・・・ 「第36回広島県鍼灸学術大会」 / 朝日医療専門学校広島校

           発表者 大谷先生、座長 岡田先生

10月20・21日 ・・・ 「第18回東洋療法推進大会in神奈川」 / 新横浜プリンスホテル

11月3日 ・・・ 「第39回ひろしま国際平和マラソン」 施術ボランティア

           /コカ・コーラウエスト広島スタジアム

11月17日 ・・・ 全国都道府県師会長会議 / 出席:山田会長 

11月24日 ・・・ 第1回保険部研修会・第3回学術研修会 / IGL医療福祉専門学校

            保険:講師:竹辺竜司先生 ・ 学術:講師:上垣内敬司先生

 

2月2日 ・・・ 第2回常任理事会 / 竹辺鍼灸院

3月22日 ・・・ 第2回理事会 / 竹辺鍼灸院

 

 

≪ 備考:他団体の学術研修会 ≫

(1)広島市はりきゅうマッサージ師会 

①6月9日、講師:佐々木健二先生他

②10月27日、講師:松浦浩市先生

③2月9日、講師:仲嶋隆史先生

 

(2)呉市はりきゅうマッサージ師会

①2月23日、講師:白銀誠司先生

 

 

●平成31年・令和元年度 部活動報告

 

1、総務部 (部長:青掛良子、副部長:竹辺竜司)

 (1)、 監査会、総会、理事会、学術研修会等の開催通知、作成・発送

 (2)、 本会の開催する各種会議の議事録の作成・管理

 (3)、 総会資料の作成・発送

 (4)、 内外部通達の作成・発送

 (5)、 会員の入・退会等の事務処理

 

2、学術部 (部長:岡田 佳広 副部長:尾野 龍一)

 令和元年度の生涯学習認定制度の研修会にて25単位以上を取得された先生には、

 東洋療法研修試験財団から修了証書が授与されます。

 

  生涯学習研修会内容

  令和元年度は3回の研修会を行いました。

《 第1回 》 

  7月14日(日) 11:00~15:00

  テーマ :経絡テストとM-Test

   講師:医師、医学博士 向野義人先生

  プロフィール:

  

《 第2回 》 

 9月8日(日) 10:00~15:00

 テーマ : 前段 「症例から学ぶ悪性疾患の鑑別法」

        後段 「東洋医学と西洋医学:どちらが本質治療に近いのか」

 講師 : 鍼灸師、杏林堂院長 小川 卓良 先生

 

 

《 第3回 》

 11月24日(日) 13:00~16:00

テーマ : 「認知症治療の実際~三焦鍼法を用いて~」

講師 : 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師、IGL医療福祉專門学校 専任教員

     上垣内 敬司 先生

     

3、厚生渉外部 (部長:小島雅子)

(1)、 慶弔事項に関する報告

  令和2年12月2日、川上哲先生がご逝去されました、謹んでご冥福をお祈りいたします。

(2)、 福利厚生事業

  ・事故賠償責任保険(アイ保険サービス)

   事故が発生した場合、誠心誠意対応して頂けます。

   是非、会員の皆様にはご加入を頂きますようお願いいたします。

(3)、 渉外関係の業務

  ①総会の場所の確保

  ②慶弔関係の対応業務

  ③各専門学校の卒業式に出席、祝電等の業務

 

4、広報部 (部長:郷田大介、副部長:相川貴裕)

(1) ホームページ管理
  ・ 活動報告、お知らせ等の情報発信
  ・本会が行った無資格者対策や保健所対応に関して詳細を掲載

  ・会員リストにて有料広告枠を設置(役員は無料掲載)
(2)メール配信
  ・クラウド操作により、円滑なメール配信の提供

  ・問い合わせや相談のメール対応

(3)会報の内容充実、各行事の写真撮影
  ・親近感の向上、会報の掲載量の拡充

(4)Facebookを利用した情報発信
  ・若い世代の会員に向け、Facebookを活用した情報発信を拡大
  ・Facebook付属機能メッセンジャーによる意見交換
(5)全鍼へ研修会予定を報告

 

(6)IGL医療福祉専門学校にて入会説明

 

5、事業部 (部長:森下孝夫、副部長:大谷芳貴)

(1)、「第15回廿日市市・大竹市障がい者ふれあい交流スポーツ大会」施術ボランティア

   9月1日/廿日市市スポーツセンター・サンチェリー ・施術者数 11名/・参加者数 90名

(2)、「第39回ひろしま国際平和マラソン」施術ボランティア

   ・11月3日 /コカ・コーラウエスト広島スタジアム ・参加者 21名/・施術者数 260名

 

6、保険部 (部長:竹辺竜司)

(1)、保険取り扱いに関する情報収集等

  11月18日、日本鍼灸マッサージ協同組合第6回研修会に出席

(2)、研修会実施

  11月24日、「保険取り扱い」、講師:竹辺竜司先生

(3)、配布物などにて会員への情報伝達、メール等による質疑応答

 

7、財務部   ( 部長:山田健三(平成31年度)/川口真実(令和元年度))

   令和元年度の決算報告は別紙参照ください。

 

 

●令和2年度 会務並びに事業計画(案) (自 令和2年4月1日、至 令和3年3月31日)

 

  1、監査会 ・・・ 4月12日 / 山田はり治療院

×2、通常総会 ・・・ 5月10日 /広島市心身障害者福祉センター 2階会議室

×3、(公社)全日本鍼灸マッサージ師会定期代議員総会、連盟総会、

   日本鍼灸マッサージ協同組合総会 ・・・ 5月24・25日 / ホテル・ルポール麹町

×4、第1回理事会 ・・・ 6月7日 /竹辺鍼灸院

×5、「第6回中国地区鍼灸マッサージ協議会」(鳥取) ・・・ 6月27・28日

  6、第1回学術研修会 ・・・ 7月12日 / 講師:田邊美晴先生 → 12月6日に延期

×7、第1回常任理事会 ・・・ 8月23日 /竹辺鍼灸院

×8、第16回廿日市市・大竹市障がい者ふれあい交流スポーツ大会」 施術ボランティア

   ・・・ 9月6日(未定)/廿日市市スポーツセンター・サンチェリー

×9、第2回学術研修会 ・・・ 9月13日 / 講師:西田皓一先生

×10、「第37回広島県鍼灸学術大会」 ・・・ 9月

×11、「第19回東洋療法推進大会in徳島」 ・・・ 9月27・28日 /場所 : ホテルクレメント徳島

×12、「第40回ひろしま国際平和マラソン」 施術ボランティア

   ・・・ 11月3日 /コカ・コーラウエスト広島スタジアム

 13、全国都道府県師会長会議 ・・・ 11月15日/出席 : 山田会長 → オンライン会議に変更

 14、第1回保険部研修会・第3回学術研修会 ・・・ 11月22日

 15、第2回常任理事会 ・・・ 12月6日 /竹辺鍼灸院

 16、第3回常任理事会 ・・・ 2月7日 /竹辺鍼灸院

 17、第2回理事会 ・・・ 3月14日 /竹辺鍼灸院

(×はコロナの影響で中止)

 

●令和2年度 部活動計画(案)

 

1、総務部 (部長:青掛良子、副部長:竹辺竜司)

  (1)、監査会、総会、理事会、学術研修会等の開催通知、作成・発送

  (2)、本会の開催する各種会議の議事録の作成・管理

  (3)、総会資料の作成・発送

  (4)、情報の作成・発送

  (5)、会員の入・退会等の事務処理

  (6)、会務の諸連絡、諸手続等の事務処理

  (7)、広島県福祉保健部への業務報告

  (8)、会報の発送事務

 

2,  学術部 (部長:岡田佳広 副部長:尾野龍一)

   生涯学習研修会開催予定

  《 第1回 》7月12日(日)

   テーマ : 婦人科疾患

    講師 : 田邊美晴先生(はる鍼灸治療院)

  《 第2回 》9月13日(日)

   テーマ:「東西チャンポン医学」 「僅三針・取穴法」についての講義・実技

        講師:西田皓一先生(医学博士、西田順天堂内科院長)

  《 第3回 》11月22日(日)

   テーマ : 中医学について(2時間)薬膳について(1時間)
   講師:李 暁燕先生 中医師・鍼灸師・薬膳コーディネーター・介護支援専門員

          

3、厚生渉外部 (部長:小島雅子)

  (1)、慶弔事項に関する報告

  (2)、福利厚生事業 ・・・事故賠償責任保険(アイ保険サービス)

     事故が発生した場合、誠心誠意対応して頂けます、会員の皆様ご加入ください。

  (3)、 渉外関係の業務

     ①総会の場所の確保

     ②慶弔関係の対応業務

     ③各専門学校の卒業式に出席、祝電等の業務

 

4、広報部 (部長:郷田大介、副部長:相川貴裕)           

 (1) ホームページ管理

 (2)メール配信

 (3)会報の内容充実、各行事の写真撮影

 (4)Facebookを利用した情報発信

 (5)全鍼へ研修会予定を報告

 (6)IGL医療福祉専門学校にて入会説明

 

5、事業部 (部長:森下孝夫、副部長:大谷芳貴)

  (1)、「第16回廿日市市・大竹市障がい者ふれあい交流スポーツ大会」施術ボランティア予定

  (2)、「第40回ひろしま国際平和マラソン大会」に施術ボランティアとして参加  

  (3)、その他、決定された事業を実施する。

 

6、保険部 (部長:竹辺竜司)

 ・保険取り扱いに関する情報収集等

 ・共同組合、全鍼主催の保険にかかわる研修等への参加

 ・保険取り扱い研修会の開催

 ・遂次、配布物などにて会員への情報伝達、メール等による質疑応答

 ・保険部研修会/11月22日

 

7、財務部 (部長:川口真美)

  皆さんの会費は大事に運用していきます。会費は早めに納入願います。

  

 

 

・・・・・ 「各理事のコラム」・・・・・

 

≪会長 山田 健三≫

「役に立つ手作り道具」

 

1、艾をひねるコルク板を作る

 ・コルク板を2枚使い、艾を棒状に捻る。

 ・棒状にした太さは、自由自在で糸状灸も簡単に作れる。

 ・魚の目やタコなどの治療は、艾は3級品のもので火力の強いものを

用い、太目に捻り更に施灸時に難く指で捻って使う。

 

2、灸点紙を作る

1)、利点

 ①市販の耐熱性アルミシートを使うので安くできる。

  ・価格は、千円以下(大きさ45×90cm)

  ・1㎝角の灸点紙が4,050個できる。

 ②市販のものより効き目(熱感)がありそうで、1枚で3回程剥がして

使える。

2)、欠点

 ①灸点紙の穴をパンチする板を作るのが手間。

3、円筒灸を作る

①ラップやカーペットクリーナーの芯を加工し、

切り艾(Φ12×15㎜)を使う。

4、箱灸を作る

 艾は、安い温灸用を使う。

 

5、ロウソクの活用

 ・箱灸に入れる艾や棒灸に火をつける時、ライターより安くて

  安全。

6、棒灸

 ・短くなったら、洗濯バサミを使う。

 ・使えなくなれば、箱灸で使う。

7、ピンセットの活用

 ・ピンセットの先を丸く加工して、せんねん灸など

  掴みやすくする。

            

8、移動式道具置台(キャスター付き)を作る

 ・艾、線香、灰皿、吸角などを置く。

 

9、クッション置台(クッションと温マットを置く)

&脱衣カゴ(キャスター付き)を作る

 

 

 

≪副会長 広報部長 郷田 大介≫

「自民党の政治塾に入塾してみて」

 

私は、鍼灸マッサージ師から政治家を輩出する必要があるのではないかと常々思っています。鍼灸マッサージ師は、日々東洋医学を用いて医療に携わり、人々の健康作りのサポートをして、臨床の現場に立ち、痛み、苦しみ、悩みなど様々な主訴を聞き施術に当たる中で、人々の生活を垣間見ることが多々あると思います。老々介護問題、年金問題、医療・介護難民問題など医療人として、どうにもできない歯がゆさを業界の先生方なら誰でも感じることと思います。鍼灸マッサージ師は病気を改善させることはできますが人々の生活を良行にしていくためには政治の力が必要だと思います。

我々の鍼灸マッサージ業界から1人でも、地方議員・国会議員問わず政治家を輩出できれば、

日々接する患者さん達の声を政界へ届けることができ、また業界の風向きも大きく変わると思います。

すぐには政治家を輩出することはできませんが、まずは地方の政治塾に会員から数名でも出向かせ、

布石を打ってみてはいかがでしょうか。小さな種も何年後かには大きな木になるかもしれません。

この気持ちを抱き、今年、試しに自民党の政治塾「広島未来創造塾」に入塾申込したところ審査に合格しました。受講によって直接、衆議院議員 寺田稔先生、衆議院議員で元防衛大臣 中谷元先生、前自民党政務調査会長 衆議院議員 岸田文雄先生のお話を伺えました。その際の中谷元防衛大臣のお話を引用します。

 

元幹部自衛官、レンジャー教育を担当されていた中谷元先生は、国を守る戦闘部隊としてあらゆる事態に勝つために戦術や戦略を学ばれ、争い事には「孫子」の説く「戦わずして勝つ」が最善の方法であるが、ウイルスには勝たなければならない。事態に勝つためにどう実践するかは、戦いの9原則にあると述べれらた。戦いの9原則とは「目的・主導・統一・経済・機動・集中・奇襲・簡明・保全」であり、戦うときは、すべてを揃えるべきであるとのことである。

●目的とは、その名の通り、はっきりとした目的・目標の確立。皆で共感し情熱を持ってのめり込む。さまにワンチームとなり、進む道を知ることで組織は強くなるということ。

●主導とは、主導権を握り、こちらのペースに持ち込み、絶えず心に余裕を持って、攻めるだけではなく、押したり引いたりして、敵である相手をできるだけコントロールしようとすること。

●統一とは、目的・目標に方向付け同調させる、決定権を持ったわかりやすいリーダーが必要であり、意思決定者をひとりに絞るということである。

●経済とは、戦力を無駄に使わず、合理的に効率的に経済的に物事を進めていかなければないないということ。

●機動とは、スピード、力、勢い、突破力などを駆使して、変化を恐れず仕掛け、柔軟に動き回って、優位な立場に立って迅速に行動するべきということ。

●集中とは、有している力を分散させず、攻め時を見極め、特定の一点に対してのみ集中的に力を注ぐ一点突破が良いということ。

●奇襲とは、相手に隙や対応のいとまを与えず、意表を突き、相手の裏をかくということである。

●簡明とは、意図が伝わりやすいように、複雑ではなく、端的・シンプルで分かり易さを心掛けるということ。

●保全とは、組織を守るために、相手に自分の意図を悟られないよう情報漏洩を防ぎ警戒すること。

この9原則は、戦闘ではなくても、政治、経営、災害でも応用ができるのであろうと思う。2年前の西日本豪雨災害で私は被災地へ医療派遣で赴いたが、この原則は、まさに必須であった。また軍事・戦闘とは無縁の鍼灸院を経営している私にとって、この9原則は経営にとても実用的であると感じた。この度のコロナウイルスは、経済にも政治にも、そしてアメリカ大統領選にも、影響を与えた災害だが、誰もが、まさにこの9原則に当てはめて行動すればよかったのではないかと思う。例えば、トイレットペーパーの買い占めに走る集団心理のペースに飲まれた客、運転資金の余力を持たなかった経営者、民主主義で選ばれたリーダーを信じない民衆、井戸端会議のようにグダグダ話すテレビ出演者など、パニックという敵をコントロールする主導、運転資金という戦力を無駄にしない経済、民衆に的確に伝える簡明、これらの原則が不足していた。

9原則は一般には無縁と思いきや、身近なところでは、経営にも応用できるし、もちろん業界団体の活動にも応用できると思う。皆さんも是非とも9原則を応用して、コロナに勝つ経営を心掛けてみてはいかがでしょうか。

 

「ワクチン接種の優先順位」

 

私は数年に一度訪露している。何度も訪露を繰り返すと出入国審査で怪しまれるのが面倒だが、今年度も訪露を予定していた。しかしコロナで中断してしまい残念でたまらない。

さて2016年訪露中、昔の職場へ行く道中、私は野犬に噛まれ狂犬病の恐怖に苦しめられた。ご存知の通り、狂犬病は発症してしまうと確実に死ぬ病気である。日本国内では犬へのワクチン接種が義務化され、ここ何年も発生していないが、ロシアは任意接種である。噛まれた瞬間、映画「バイオハザード」のような恐怖を感じた。「ズボンの上から噛まれたのだから大丈夫かな」とズボンを捲ると歯型の傷から出血。当然、アウトであった。痛々しい姿で昔の仕事仲間に会えたが、談笑もなく、彼らに真顔で促され病院へ。有り難いことに、ロシア国内では共産主義の名残なのか外国人であっても簡易的な処置は無料である。もちろん狂犬病と破傷風ワクチンを無料で受けれた。ただ、処置は雑で粗い。ここから90日間のワクチンとのお付き合いが始まった。

体内にウイルスが入ることを感染学では「暴露」と言われ、狂犬病の可能性のある犬に噛まれた暴露後、発症を抑えるため日本などの先進国では緊急ワクチン接種回数を6回と規定している。(ちなみに発展途上国は5回である。これは残念な話だが、その国にいる人間の価値を意味しているとも言われている。1回分削って他の人へ接種という発症リスクは残るが限られた量を使って一人でも多くの人を助けるための致し方ない方式である)

6回法の接種間隔は、暴露当日、3日後、1週間後、2週間後、28日後、90日後となっている。

最悪なことに、この時、ロシア国内数か所を訪問する予定があり、各地の病院でワクチンを接種する羽目になった。噛まれた場所はノボシビルスク、その後ボルゴグラードや元ウクライナ領クリミヤ半島、結果ロシア病院視察旅行になってしまった。 日本人は初めて会うと握手されたり、財政難のウクライナを物語る野犬が徘徊する廃墟病院で受診など散々であった。それでも、ロシア製ワクチンであろうと、ガムを噛みながら舌打ちする看護師であろうと、医師のティータイム待ちであろうと、ダーツの矢のような接種であろうと、ワクチン接種をしなければ死ぬのだから文句は言えない。帰国後も大学病院で3回接種、「面倒だから5回法で」と医師に相談、「発症したら死にますよ」と言われた後に「5回法は8割助かる、6回法は確実に助かる、5回法しかない国もある。日本はあなたを確実に助ける国ですよ」と言われ、5回法と6回法の違いを知った。つまり医療は人類皆平等ではなかった。

このワクチン接種によって、狂犬病の恐怖から解放され今に至る。テレビからは、連日ワクチン、ワクチンとコロナ関連のニュースが飛び交うが、人類皆平等に接種されることはないのだろう。 発展途上国は後回し。人間の価値とは何なのか。 

 

 

≪学術副部長 尾野 龍一≫

 

2020年は東京オリンピック開催の年であり楽しみにしていましたが、想定外の新型コロナウイルス感染症が世界中に感染拡大し大変な年となりました。広島県鍼灸マッサージ師会主催の7月、9月の学術研修会は延期になってしまいました。この原稿を書いているのは11月中旬ですが再び感染者が増加しており感染の第3波と言われています。研修会が再延期にならないことを祈っています。

 私はIGL医療福祉専門学校に勤務しておリますので、養成学校のことについて書きたいと思います。4月~5月にかけての緊急事態宣言中は在宅ワークや遠隔授業を初めて体験しました。対面で行っていた授業がパソコンを通しての授業になり、慣れない授業と準備で今までにない大変な経験でした。今までは、厚労省が遠隔授業を認めていませんでしたので、自宅で授業が受けられる(実習はさすがに難しいですが・・.)という事はこれまでには考えられないことです。来年度から小中高ではGIGAスクール構想において、1人1台のパソコンやタブレットが導入されることが決まりました。

本校でも2021年度入学生から1人1台のパソコンを所有してもらい教育のデジタル化を推進していきます。このように教育現場はこれから大きく変わっていくことになリます。こういった流れはいずれ鍼灸業界にも波及することになるでしょう。具体的に鍼灸業界にどのようにICTが入って来るのか見当もつきませんが、時代は確実に変化しています。今のうちから会員の皆様には治療の技術のみならず、ICTの知識を深めていくことをお勧めします。時代に取り残されないようお互いに頑張りましょう。

 

≪副会長 学術部長 岡田 佳広≫

お世話になります。学校に務めており開業しておりませんが、日頃思うことを、いくつか書きます。


1つめは、医者は、免許上、医療に関することは、ほとんどなんでもできます。なので、専門分野は、医者に負けては、存在意義がありません。レントゲン技師は、医者よりもレントゲン撮影技術がうまくないといけないです。はり師も同様です。医者で、鍼をする人は徐々に増えてきています。医者よりも、鍼が下手では、存在意義がありません。国家試験に実技がないので国家試験は、どうしても学科対策になります。でも卒業して自分の働くイメージを持った時、実技の練習は重要です。自分の働くイメージを学生にもつようにと言っています。 上皇さまが天皇陛下の時、心臓外科で手術を担当したのは医学部を2年浪人して医学部に入った人です。内科は、やはり学歴国立、医学部四天王、私立御三家と、呼ばれる大学のグループが存在します。はり師は外科と思います。患者を治すことが求められます。歯科医が医者であれば外科実技が上手ということが求められます。


2つめは、アロマの人に聞いたことをお話します。
①雇うのは元生徒にするそうです。長く話をする機会があれば、その人の家庭状況、性格、考え方が分かってきます。分かった上で雇いたいと言われました。
②偵察についてですが、近所に新しい店ができたら偵察に行くそうです。技術は、もちろん、施術してもらうので良く観察します。その他、フットバスなどの器具、タオルワーク、その手際よさ、丁寧さ、また、調度品、つぼ、絵画など、BGM、シルクロード風にするのか、どんな音楽を使うのかなどを、見るそうです。

3つめは、あはき19条裁判についてお話します。
ご存じの通り、東京地裁、大阪地裁、仙台地裁で国が勝訴しました。あはき19条は、合憲、憲法に違反しないと判決がでました。高裁12月8日、東京高裁12月14日、仙台高裁で判決が出ます。今の構図は視覚障害者と、あんま専門学校が組んでいます。あんま専門学校にとって、はりきゅうの専門学校が、あんま課程を持つと自分の経営が厳しくなるので、あんま専門学校は、はりきゅう専門学校があんま課程を持つことに反対しています。判決の見通しについては、私個人として予測がつきません。10月に非正規パートについて最高裁で判決が出ました。同じ週に非正規パートが勝った判決と負けた判決が最高裁で出ました。なので最高裁まで行った時どのような判断が出るか分からないです。最高裁には大法廷15名の裁判官全員、小法廷第1から第3まで5名ずつがあります。

大法廷が開かれるならあはき19条が憲法違反という判決が出る可能性があります。小法廷で、判決が出るなら高裁も、たぶん国が勝つと予想されますので、あはき19条は、合憲 憲法に違反しないとなると予測します。


4つめですが、コロナ終足は、いつなのか。
2月にネットで調べたら、6月、9月、2021年、2022年でした。8月に調べると 2021年9月以後、早くて、2022年でした。早くて、2022年というのは、2023年がありうるということです。10月にネットをみると定着するかもしれないと出ていました。エイズ、梅毒など、病気が発見されて医学書に記載されて、よい言い方ではありませんが定着してしまった。コロナも定着するかもしれない。困った話です。どうなるかは推移を見守り終足を願うばかりです。クラスターを考えてみると、風邪が流行する、インフルエンザで学級閉鎖になる、これもクラスターと思います。コロナだけがクラスターではないと思います。国難という言葉が相応しいこのような時期でも諦めずに立ち上がる、それが人類がここまで続いてきた歴史なので皆様、共に手を携えて前に進んでいきましょう。今後もよろしくお願いします。

 

 

≪広報副部長 相川 貴裕≫

「ランニング・陸上競技で起こりやすいケガと鍼灸施術の可能性」

 

はじめに

 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によって多くのスポーツイベントが中止になった。しかし、ジョギング・ランニングなど走ることは個人で行えることもあり、自粛期間中には多くの人がジョギング・ランニングでストレスを発散した。多くの人が趣味としている「走る」ということを知り、それを鍼灸施術につなげる機会になればと考える。

 

1.ランニング

笹川スポーツ財団のスポーツライフに関する調査2018によると、2018年の年1回以上ジョギング・ランニング実施率は9.3%であり、推計実施人口は964万人であった。また、日本生産性本部のレジャー白書2017ではランニングジョギング人口は2020万人とされている。つまり国民の10人に1人程度はランニングやジョギングを趣味としていることがわかる。ランニングの効果は、筋力増強や維持、脂肪燃焼効率向上やストレス発散など多岐にわたる。健康志向の人が取り組んでいることが考えられ、鍼灸施術との親和性も高いと思われる。 また、ランニング中に起こり安いケガをみると、腱鞘炎や腱炎、骨膜炎といった炎症が37%、疲労骨折が14%となっている(白木ら,1983)。また、膝関節の傷害が最も多いというデータもある(横江,1988;山下・山際,1990;村上ら,1997)。疾患名別でみると、膝蓋大腿骨痛症が最も多く、次いで脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)、アキレス腱周囲炎、疲労骨折(特に脛骨と中足骨)、足底筋膜炎(腱膜炎)、腸脛靱帯炎、膝蓋腱(靱帯)炎などが多い障害であると報告されている(Balla et al., 1997)。

 これかのケガは基本的に慢性障害であり、筋疲労に起因していることが多い。筋疲労は鍼灸施術で改善されると考えられ、鍼灸施術がケガをさせないからだ作りに寄与できると考えられる。また、鍼灸施術は鎮痛の効果もあり、これも上記のケガに対するケアとして鍼灸施術が効果的であると考えられる。

 

2.陸上競技

走るということを競技の側面からも見ていきたいと思う。2019年度では中学校で陸上競技部に所属するものは男子125,758人、女子96,322人(中体連令和1年度資料)、高等学校では男子66,868人、女子38,960人(高体連令和1年度資料)となっており、運動部ではともに5番目に多い所属者数となっている。ここに小学生、大学生や実業団、クラブチームで陸上競技に関わっている人は相当数であることがわかる。陸上競技に多いケガをみてみると、広島県の大会での研究(渡邊ら,2017)では、中学生・高校生とも、大腿後部(中学生19.6%、高校生26.8%)が最も多く、これは高知県の陸上競技大会の研究(伊藤ら,2011)でも同様の結果となっている。ここでいう大腿後部のケガとは、ハムストリングスの筋膜炎や肉離れと考えられる。スポーツ選手の肉離れに関する疫学調査(武田ら,2001)によると,下肢の肉離れの中ではハムストリングスの損傷が43.9%と最多であり,またその競技別の内訳では陸上競技が25.2%を占め最多であることが報告されている。

また肉離れの原因について蒲田(2000)は、

①ハムストリングスの柔軟性欠如

②筋力・筋持久力の低下

③大腿四頭筋とハムストリングスの筋力バランスの差

④不適切なウォーミングアップ

⑤ストレッチング不足

⑥ハムストリングスの同時収縮の失調

⑦ランニングフォームの欠点

⑧不完全なリハビリによる早すぎる競技復帰

の8つがあると述べている。

この中で①については筋血流の改善による柔軟性の向上が期待でき、また②に関しても筋力向上効果があるため改善が期待される。 ここでも鍼灸施術は有効であると考えられる。

 

3.鍼灸施術

 宮本ら(2008)はスポーツ鍼灸の効果について、

①円皮鍼は長期合宿中に起きる筋疲労を軽減する。 

②鍼治療は、 高強度の運動によってもたらされる免疫機能の低下を抑制する。 

③低周波鍼通電は、 マウスの廃用性筋萎縮の進行を抑制する。

④円皮鍼は運動後の急性筋疲労や遅発性筋痛に有効である。 

⑤M-テストは、 スポーツ外傷の予防とパフォーマンス向上を評価

の5つが証明されているとしている。特にM-テストは昨年度研修会も行われており、すでに施術に取り入れられている先生方も多いと思う。また特に筋疲労の改善効果が言われており、これは慢性スポーツ障害の予防に貢献できると考えられるため、重要であると考える。

個別の施術では、ハムストリングスについて考えたい。筋への施術に関しては、一般的に起始部、停止部、筋腹のおよび疼痛部への施術が基本になる。起始部では、承扶穴(BL36)相当部位に刺鍼をするが、腹臥位での直刺では大腿二頭筋長頭が主に刺激され、半腱・半膜様筋に対する刺激が不十分な場合あり、側臥位等での刺鍼を検討する必要がある。筋腹では、大腿二頭筋と外側広筋、半腱・半膜様筋と内転筋群との触察が重要となってくる。いずれにせよ起始部、停止部、筋腹のおよび疼痛部への3~4か所の刺激で十分に効果を得ることができると考えられる。

 

おわりに

 この文章を読み、少しでも「走る」ということに興味を持っていただき、それを鍼灸施術に活かしていただければ幸いである。また、まだまだスポーツ鍼灸に関する研究は十分に行われていないのが現実である。日頃の施術を研究につなげていくことで、ますます鍼灸の発展につながるのではないかと考える。

 

 

≪事業副部長 大谷 芳貴≫

「症例報告」


50代男性
主訴頸椎ヘルニア
C5のヘルニアがありジャクソンテスト陽性右肩に痺れが出ていて頸椎後屈が難しいく、第二胸椎を基準として肩峰端が右肩下り、C5の横突起にある圧痛点に運動鍼をする事で痛みが軽減。
左の横突起の端、脊柱起立筋へテーピングをすると右の頸椎に開きが出来る。
また首の痛みはジャクソンテストで痛みの出る場所へ運動鍼をすると有効、テーピングをする際に棘突起を中心に貼ってしまうとヘルニアを圧迫してしまい痛みがひどくなる事があるので中心は避ける。

 

≪向田鍼灸院院長 向田淳子先生からの寄稿文≫

 

認知症予防について

 

認知症を古典的に考えると老人は体質として腎虚があり、特別な病気もなくて長生きしている老人は腎虚陰虚。 腎虚陰虚とは津液が不足して熱が発生しているという意味。ただし中年の頃の腎虚とは少し違い、その熱は腎虚が古くなると少なくなる。そのため基本は熱証であるが外にまで熱が出てこないで寒証の病症も現れる。認知症になるのは腎の主る骨髄から脳に連なる津液が虚するために頭に熱が多くなるからと考えられる。老化とは枯れること。最近では認知症の方に水分補給(好きなもの何でもOK)すると改善傾向がみられるともきく。東洋医学での治癒穴も潤いをもたせるツボとなっている。

 

認知症予防の治療穴(腎兪・志室・手三里・足三里)

 

★日常においての認知症予防

・十分な睡眠と30分以内の昼寝

・適度なウォーキング

・楽しくおしゃべり

・ゆっくり噛んで食べる

・歯を磨く

・手先を使う

・料理を作る際に複数のメニューを同時に作る

・人生のATM(A:明るく T:楽しく M:前向きに)

 

★認知症予防に効果のある食品

トマト・緑茶・卵・鮭・青魚・葉酸が含まれる食品(ほうれん草、ブロッコリー、ニラ、アスパラガス等の緑黄色野菜)・レバー・焼きのり・いちご・発酵食品(納豆、豆腐)

 

免疫力を高めるための対策

 

今年はコロナで大変な状況ですが感染予防の一つとして免疫力を高める対策を考えてみます。

睡眠・食事・運動・ストレス解消の項目に分けて簡単に説明します。

 

★睡眠

 睡眠は電気を消して真っ暗な状態で。PM10~AM2の間が免疫力が高まるため、この時間内までに寝るのがベスト。朝起きたら窓を開け日光を浴び体のスイッチを入れる。コップ一杯の水を飲む。朝食後の歯磨き、就寝前の歯磨き(口腔内の清潔を保つ)

★食事

 ・旬の食材や味付けのバランスが大事

 ・よく噛んで、ゆっくり食べる(唾液の効用)

唾液には抗体力(IgAアイジーエー)があり、細菌やウィルスと結合して体外に流す。

耳下腺、顎下腺、舌下腺が唾液の分泌量が多いところ。

ここを刺激すると唾液も出るが若返りのホルモンも出る。

 ・免疫力を高める食品

キノコ類・イモ・豆類・海藻・野菜

発酵食品(毎日複数。例:ヨーグルト、ぬか漬け、味噌、醤油、納豆、チーズ、キムチ)

乳酸菌が多い食品は腸内環境を整える。デザートはリンゴ(リンゴポリフェノールが免疫力アップ)

夕食のデザートはヨーグルトがおすすめ。腸の働きはPM10~AM2に最も活発。

 

★運動

 ウォーキングがおすすめ(6000~8000歩くらい)

 運動のしすぎは免疫力が低下するので注意

 風呂などで体温を上げると免疫力が高まる。

 

★ストレス解消

 ・イライラの解消として水を飲む。深呼吸をする

 ・20~30分の作業に集中(簡単なパズル、ぬり絵、計算ドリルなど)

 ・音楽や趣味でストレス解消

 ・笑顔で NK(ナチュラルキラー)免疫細胞の働きを高める。歌うことも免疫力活性化。

 

★免疫力を高めるツボ

 手三里・足三里・中極・関元

 

 

≪相談役 佐々木 健二≫

「古希を迎えて」


令和3年2月、70歳となりました。人生50年という言葉はすでになく、百歳を目指す時代となりました。周りを見ても、70を超えて仕事をされている方が多くいらっさいます。そんな方々は、体がきついと言いながらも、生き生きと暮らしておられるように感じます。私も、定年のない仕事であり、開業当初から体の続く限りやっていこうと決めています。ただ、高齢になると、いろいろな点で弱ってきます、引き際を見極める判断力が大切でもあります、さあ、どこまでできるでしょうか?

稚拙な技術・知識しかない私でも、少しでも社会に役に立っていると実感できる仕事で良かった、 患者さんの「ありがとうございました。」という言葉と笑顔が私の生きがいなんだなと改めて思いつつ、わが手を見つめています。


古の 術(すべ)をほどこし 得る笑顔
おそまつでした。
佐々木

一言アドバイス
肘関節以下の疼痛に、腋下の施術が効果的です。前腕から上腕にかけて、手掌全体で求心性にマッサージを加えればさらに効果があります。疼痛部には、各先生方の施術をされればよいと思います。
腋下の施術は、鍼でもマッサージでも良いです、軽く圧迫するだけで強い痛みを感じます、これをマッサージなら、ゆっくり時間をかけて圧迫します、鍼であれば1寸・0番で浅く切皮程度の深さで直刺直抜です。既に皆様、施術されているのであれば、蛇足でした、ご容赦ください。

 

≪事業部長 森下孝夫≫

「症例報告 五十肩」

 

最近“五十肩”の患者さんが何人か来られたので、五十肩について当院でやっている治療を紹介したいと思います。

五十肩と言うのは俗称で、正式には肩関節周囲炎と言います。肩関節を取り囲んでいる筋肉、腱板などの損傷、炎症が原因とされています。(ここでは五十肩と呼びます)五十肩の中には、肩関節由来のもので、肩関節にカルシウム結晶が付着しているものがあります。圧痛が強く現れ、安静時でも痛みがあるのが特徴で、夜も痛くて眠れない程の症状が現れます。

この場合は、鍼灸適応というよりは、整形外科で肩関節にカルシウムの結晶を溶かす注射を打ってもらうのが、速効性があり最も有効だと思います。下手に治療院へ引っ張り過ぎると、なかなか治療の効果が現れず、逆に信用を落とすことになりかねません。

私も一度失敗したことがありまして、何回もあの手この手で何とか治そうと思ったのですが一向に良くならず、やがてヘルパーさんの助言で整形外科へ行かれ、注射1本で見事に治ったそうです。その後は私の治療院とは全くご縁がなくなりました。あの時”肩関節にカルシウムの結晶が付着しているかもしれないから、整形外科で診てもらったら”と助言をしていたら、治せなくても最低限の信頼関係は築くことが出来たのではないかと思います。

一般的な、鍼灸適応の五十肩の症状としては、以下のような症状がありますが、原因は不明ですが、筋力の低下、姿勢が悪い人(猫背)、慢性的な肩こりがある人がなりやすいようです。

〇肩関節の可動域に制限が現れる。

〇肩関節の運動時に痛みを伴う。

〇就寝中に痛みで目が覚める事がある。

治療

肩関節を動かしてみて、圧痛の現れるところを確認して、直接局所へ鍼・灸をする方法もあります。特効穴としては、肩関節前面エリア(肺経ライン)の痛みには、尺沢の1㎝下の圧痛があるところを探します。そこを押さえながら肩関節前面の圧痛があった部分を押さえてみると、圧痛が消えるところがあります、そこに鍼と灸をします。五十肩の患者さんは肩甲骨の動きが悪く、特に外側側に引っ張られたまま固まっている方が多いです。パソコンを使うデスクワーク、長時間の運転など、腕を前方に出したまま同じ姿勢になっていることが多く、そのため肩甲骨が外側に引っ張られたままの状態で固定されてしまっている方が多いです。

肩甲骨の動きが悪いから、肩関節の動きも悪くなり、無理して動かそうとしている間に、周りの筋肉が無理をして、炎症を起こし痛みが出ている状態になっている事が多いと思います。

肩甲骨の動きが悪い患者さんには、肩甲骨周りの筋肉に鍼をして筋肉を緩めます。さらに肩甲骨の動きを良くするために、肩甲骨は剥がしみたいな施術をします。外側に引っ張られて固まっていることが多いので、肩甲骨外側縁に指を当て、脊柱の方へ滑らせるように押さえます。何回か滑らせるように押していると、やがてなめらかに動いてくれるようになります。同じように今度は下から上に滑らせるようにスライドさせます。この時は肩関節も動くので、肩関節を支えながら同時にスライドさせます。上下、左右が終わったら旋回運動をさせます、肩甲骨下角を左右にスライドさせるイメージです。肩甲骨の動きが良くなると、上がらなかった腕が軽く上がるようになります。最後にキネシオテープで三角筋を包むように貼って終了です。自宅でやってもらうこととして

〇低下している筋肉を筋トレで補っていく。(アイロン体操など)

〇肩関節を回すように動かし、可動域を少しずつ広げていくようにする。

〇風呂上がりに氷でアイシングを30分以上行い、その後カイロなどで暖める温熱療法。

五十肩についていろいろ書きましたが、どこの治療院でも、五十肩で来られる患者さんはかなり多いと思います。諸先生方も五十肩に対しては、ご自分の治療法を確立しておられると思います。これはあくまで私の見解であり、私がいいと思ってやっていることであり、すべてが正しいとは思っていませんが、少しでも参考になればと思って報告しました。

 

 

「IGL医療福祉専門学校鍼灸学科生 学校外臨床実習」

受け入れ施術所 : みどり鍼灸治療院

臨床実習指導者 : 副会長 郷田大介

 

毎年、みどり鍼灸治療院では後進の育成と学生の実地的能力を涵養するためIGL医療福祉専門学校と連携して鍼灸学科の学生の臨床実習を受け入れています。 この臨床実習は、医療人としての態度、技能を学び、将来の「医療を支える良き治療家」へと成長していく大切な教育カリキュラムです。 今年は、ウイルス感染防止策を講じた上で、臨床実習を実施しました。 臨床実習では見学をはじめ、受療者の同意の上で、一部の施術行為を行わせる「施術参加型」臨床実習を行いました。

 

期間 : 8月17~29日、9月23~29日の計16日間 (校内休暇期間)

 

内容 : 1日につき学生1人が臨床実習指導員の傍で見学・施術補助を行う

 

人数 : 期間中に学生16人が臨床実習に参加する

 

対策 :①広島市内で感染者が多発した場合は、発生状況や規模を考慮して

       専門学校と協議の上で、臨床実習の中止を検討する。

     ②実習生には、マスクやフェイスシールド等の飛沫防止策を講じ

      体温測定、手指消毒、体調管理を徹底させる。

      ③実習生には感染地域への訪問、感染者との接触の有無の確認を行う。

     ④密接を懸念される受療者には、距離を置いた見学に留める。

 

 

●実習日誌の感想欄

①30代女性 鍼灸学科生 (元介護職員)

 ほとんどの患者さんが保険治療のため1回1回の施術時間は短いですが、そのかわりに施術者の手際が良く、動き一つ一つに無駄がなく、施術のスピード感もとても伝わり、自分も見習いたいと思いました。多種多様な医療機器があり、学校では利用できないものばかりで、実際に触らせてもらい、体験させてもらう事で、自分が今後鍼灸師としてやっていくのに、とても勉強になり参考になりました。

 

②30代女性 鍼灸学科生 (柔整師免許保有)

 触診をさせてもらって、自分だったら、どう治療するかを考える事が出来たのは、貴重な体験になりました。反応点、トリガーポイントをすばやく探し当て、どこにどう刺していくかを限られた時間の中で出来るように目標を立てて、患者さんが満足する施術を行っていけるように頑張ろうと思います。卒業後、将来の事をぼんやりと考えていましたが、先生の話を聞いて、今までより、はっきり見えてきました。

 

③20代男性 鍼灸学科生 (元医療事務職)

 実習を通し、治療方針、治療方法、施術しながら考える事、ヒューマンエラーの防止法なと教わり、

特に開業について詳しく教えて頂いた。鍼灸師として生き残るために何が必要かを教わり、また考えさせられる実習だと思った。

 

④40代男性 鍼灸学科生 (元自動車関連会社員)

 連続で大人数の方を触診する機会は今までありませんでしたので貴重な体験でした。自分の今までの触診の仕方がいかに中途半端だったか、よく理解できました。患者さんの満足度を高めようという考えには大変感銘を受けました。施術効率を上げていくヒントも頂いたようにも思います。

 

⑤20代男性 鍼灸学科生 (元スポーツトレーナー)

 臨床現場の治療のスピード感を肌で感じることができた。学校では学ぶことができないことをたくさん学べた。接遇対応や施術方法など、ひとつひとつ丁寧に教えて下さり、大変勉強になった。反応点の見つけ方、触診の力の入れ具合は経験が必要なので、学生のうちからたくさんの人に触れるように練習していきたい。

 

⑥20代男性 鍼灸学科生 (柔整師免許保有)

 鍼灸院で保険治療がメインの治療院は初めてでした。スピーディーな施術に物理療法機器の種類の多さに驚きました。触診では、どの方向で鍼を刺し、どこに灸を据えるのかをイメージすることは大切だと思いました。実際の現場では患者さんにあった刺激量を調整していく能力が必要と感じました。そして手際の良さが必要だと思いました。そのためには、まず回数を重ね、取穴も曖昧に覚えず、しっかりと学んでいこと思います。コロナ禍にも関わらず、実習を受け入れて頂き、ありがとうございました。良い経験になりました。

 

 

上記の感想を読まれて分かるように、鍼灸学科生にとって、この臨床実習は実際の現場を肌で感じ、将来の糧になる、学びの機会になっています。 しかし鍼灸学科生の受け入れに躊躇されるとは思います。「異様な雰囲気になるのでは」「ちゃんと指導できるか」「面倒なゆとり世代の学生が来るのでは」など不安に感じるでしょう。しかし、実際に臨床実習を受け入れてみると、学生は礼儀正しく、しっかりと実習に向き合います。患者も日頃と違う新鮮な院内の雰囲気にイベント性を感じ、喜ばれます。「この治療院の先生は、他の治療院と違って、後進の指導もしているですね」「何気なく受けている治療だけど、学生との話を聞いていると奥深い治療なんですね」と、患者の見る目も変わります。

臨床実習指導者の資格を取得すれば、専門学校と連携して院内で実習を行うことができます。

現在、鍼灸学科生は学校外の鍼灸院で満足に実習が行えていません。また同じ道を歩もうとしている者を導かずして、業界の発展はありません。将来、同業者となる学生ですが、敵ではなく、味方になります。業界の発展のために、臨床実習指導者の資格を取得してみませんか。

 

・・・・・ 「学術部より」 ~ 学術副部長 尾野 龍一 ・・・・・

≪ 第1回学術研修会 ≫

令和2年11月22日(日)、IGL医療福祉専門学校にて第1回学術研修会を開催しました。参加者数は15名でした。

 今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、7月と9月の研修会が延期となり、今年度初めての学術研修会となりました。今回は、中医師、鍼灸師などの資格をお持ちで広島あらき鍼灸整骨院に勤務されている李曉燕先生をお迎えして第一部「 中医学とは 」第二部「 薬膳(医食同源) 」のテーマで講演して頂きました。

第一部の講演では、現在世界中で流行している新型コロナウイルス感染症に対する中医学の治療についての話がありました。中国武漢において西医師が5万人、中医師が5千人派遣され治療が行われたそうです。コロナ感染者320人を西医と中医に分けて治療を行った比較では、西医での死亡者113名、治療期間平均30日、治療費40万元に対し中医での死亡者は0名、治療期間平均7日、医療費何百元ということで、中医では後遺症がなかったとのことでした。日本で新型コロナウイルスの感染症の治療を行うのは難しいですが、治療効果がでており大変驚きました。

李先生が行っている新型コロナウイルス感染症の疑い例に対する処方の紹介がされました。正気および肺と脾の機能を刺激することを目的に風門、肺兪、脾兪、合谷、曲池、尺沢、魚際、気海、足三里、三陰交などの経穴を用い、様々な症状、舌診、脈診の所見から選穴されていました。登録販売者の資格もお持ちなので、患者さんに勧めている漢方薬やお茶の処方の紹介もありました。

その後、中医診断学における四診(望診、聞診、問診、切診)、特に舌診について話がありました。新型コロナウイルス感染症の疑いの患者さんを診る際、患者さんに触れることがないので診察しやすいとのことでした。そしてインフルエンザに麻黄湯は抗ウイルス薬と同等の効果があるが、実証タイプで風寒型の風邪・インフルエンザのごく初期に飲むと効果が高いことを話されていました。ただし、副作用として血圧上昇、頻脈、動悸が出る場合があるので、高齢者や高血圧、心臓病などの持病がある方には注意が必要とのことでした。

第二部の講演では、身体を温めたり冷やしたりする作用がある五性(寒・涼・温・熱・平)と、五臓六腑を養う作用がある五味(酸・苦・甘・辛・鹹)についての話がありました。冬は腎をしっかり補うことが必要で、牡蛎やイカ、昆布など腎を補う鹹味の食材や、肉類やかぼちゃ、エビなど温熱性の食材を推奨されていました。その他、紹介されたものを食材表にまとめておきますので参考にしてください。

 

 

寒・・・すいか、にがうり

涼・・・きゅうり、セロリ

温・・・生姜、栗、紫蘇

熱・・・胡椒、唐辛子

平・・・豆類、キャベツ、白菜

 

 

酸・・・アンズ、ザクロ酢

苦・・・ニガウリ。チシャ、茶葉

甘・・・穀物、果物、ハチミツ、砂糖、枸杞子

辛・・・生姜、ネギ、ニンニク、胡椒、唐辛子

鹹・・・昆布、ノリ、海藻、塩、エビ

無・・・ハトムギ、冬瓜、白菜

他にもいくつか紹介します。生姜と乾姜の違いは加熱の有無で、熱を加えることでジンゲロールからショウガオールに変化し効能が変わります。生姜の主な効果は、吐き気や食欲不振を改善する健胃作用、解熱や発表効果が期待できます。乾姜は身体を中から温める作用が強く、胃腸の冷えている下痢や便秘、腹痛の際に効果を発揮します。鎮咳作用もあります。一般に冷え性の人には生姜が良いといいますが、乾姜のほうが効果が高いようです。

陳皮はみかんの皮を乾燥させたものです。働きは理気健脾で胃、腹の張り、吐き気、嘔吐、燥湿化痰で胸がつかえ苦しい、咳、痰が多い、喘息の症状に効果があります。みかんの皮は捨てずにしっかりと乾燥させ、そのような症状の時にお茶などと一緒に混ぜて飲むと良いそうです。

冬は温性のプーアル茶や紅茶がおすすめです。脂肪分解作用も強いのでダイエット効果もあります。1年中麦茶を飲んでいる方がいらっしゃいますが、麦茶は冷やす作用があるので、夏だけにしたほうが良いそうです。

このように広島県鍼灸マッサージ師会では会員の皆さまに役に立つ学術研修会を開催しています。まだ参加したことがない方、是非お気軽にご参加ください。平成22年度から広島県鍼灸マッサージ師会は、生涯学習認定制度を実施しています。会員の方は年間25単位以上認定されると、東洋療法研修試験財団から生涯研修修了証が交付されます。

 

 

 

≪ 第2回学術研修会 ≫

令和2年12月6日(日)、西区民文化センターにて第2回学術研修会を開催しました。

参加者数は18名でした。

今回は、はる鍼灸治療院院長の田邊美晴先生をお迎えして「 不妊治療の基礎から臨床まで 」のテーマで講演して頂きました。田邊先生はJISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)学術部委員をされており、不妊鍼灸、婦人科、産科(月経不順など)、難聴、めまい、耳鳴、過敏性腸症候群、脱毛症、自律神経失調症、整形外科(腰痛)などの治療をされており、不妊治療では卵質改善、着床障害の抑制、良好な卵胞形成促進、ホルモン分泌の調節などを行っておられます。

 

講演の内容を簡単に紹介します。不妊症とは妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交しているにもかかわらず、一定期間(1年間)妊娠しないものをいいます。最近は晩婚化、晩産化、やせの女性の増加、草食系男子の増加などにより子供を授かれないカップルが増加しているそうです。

新型コロナウイルス感染症の影響で来年度の出生数が大幅に減少するとの報道があったそうです。

 

これは新型コロナウイルス感染症を懸念して妊活、人工受精の自粛が影響しているとのことでした。

治療するために妊娠の仕組みを理解する必要があるため、月経周期におけるホルモンの変化を中心にお話しされました。(FSH、LH、エストロゲンやプロゲステロンなどです。ここでは省略しますが基礎となるとても大事なところです。)

そして、卵子はいつ、どのように形成されるのか、卵胞の発育、排卵、受精、着床、妊娠の成立、妊娠の維持、胎盤、流産、不妊因子の話がされました。病院での検査、治療についても詳しく話していただきました。検査は血液検査、卵管造影検査、精液検査、ヒューナー検査(膣の中に精子がどれくらいいるかを調べる)などがあります。治療は基礎体温や排卵検査薬により、排卵日に合わせて性交を促す指導をするタイミング療法、排卵日に合わせて調整した精液を子宮内に注入する配偶者間人工授精、採卵により回収した卵子と精子を一緒にし、体外で受精させ育て、胚移植により子宮へ戻す体外受精があります。

 

PRP療法など最新の治療法の紹介もありました。不妊症の原因の半分は男性ですので、男性不妊症の話がありました。精子に良いこと18か条(リプロダクションクリニック 松林Drブログより)を紹介します。禁煙、ブリーフよりもトランクス、飲酒は適量に、長風呂・長サウナは控える、自転車・バイクに乗りすぎない、放射線に要注意、育毛剤を飲まない、規則正しい生活、膝上でノートPCを使わない、禁欲しすぎない、運転しすぎない、携帯電話は精巣から離す、昔ながらの食生活、太りすぎない、アンチエイジングを考慮、有機化合物に注意、環境ホルモンに注意、心理ストレスの軽減、これらのことは統計的に有意差がでているそうです。田邊先生が行っている鍼灸治療は育卵と着床とで治療の仕方を変えておられました。

 

スーパーライザーを用いた星状神経節への照射や下肢への低周波鍼通電、電子温灸器などを用いての治療を具体的に治療中の写真を交えて説明がありました。そして最後に質疑応答があり研修会を終えました。

 

 

 

 

・・・・・ 「事業部より」 ~事業部長 森下孝夫 ・・・・・

令和2年度は、コロナウイルスの感染拡大により、計画していた行事は全て中止となりましたので、

毎年のように会員の皆様と一緒に活動できず残念でした。

令和3年度は、コロナウイルスの感染が終息して例年通りの行事が出来ることを願ってやまないです。

予定としては、9月に、廿日市・大竹市障がい者ふれあいスポーツ大会の施術ボランティア

11月3日、広島国際平和マラソンの施術ボランティアを予定しています。

他にも未定ですけど、東京オリンピックの予選を兼ねた、アジアトライアスロン選手権イン廿日市が、昨年中止になったのを再び廿日市で開催されれば、施術ボランティアとして参加できればと思っています。これらの大会が開催され、ボランティアの参加が可能になれば、皆様にも是非ともご参加して頂きたいと思います。会員の皆様のご協力で成り立っていますので、今後ともお力添えの程をよろしくお願い致します。

 

 

・・・・・ 「保険部より」 ~保険部長:竹辺竜司 ・・・・・ 

2018年度から「受領委任」制度がスタートし、あはき業界の保険療養費申請も大きく変動をしています。この受領委任制度は、あはき療養費については施術者を管理する仕組みを構築し、不正請求の取り締まりを目的としています。

 

厚労省による不正対策への取り組みは、当初下記の5つが挙げられていました。

(1)患者本人による請求内容の確認

(2)医師の同意・再同意

(3)長期・頻回の施術等について、必要性を申請書に記載する

(4)往療(施術料と往療料の見直し・包括化)

(5)療養費の審査体制の強化

この取組みについては改訂を繰り返し、少しずつ実行されてきています。しかしながら、指導監督の実効性に対する懸念や、受領委任制度下での不正請求発生の懸念、導入に反対する保険者がいる等、新たな問題・意見も出ています。

 

●今後の流れ

この制度の最大の問題は、制度への参加を「任意」にしたことにあります。これにより、「償還払い」へ移行する傾向があり、現状では「代理受領」・「償還払い」・「受領委任制度」と3つの申請を別々に行うという事態に陥っています。全保険者がこの制度への参加となるように、今後の展開を待ちたいと思います。また、政府の方針により申請書も「デジタル化」・「脱ハンコ」といった新たな課題が持ち上がっております。当業界においても近未来的には、この方針に追従せざるを得ないと思います。

 

 当会でも保険療養費においては重要な事項として常に全鍼の保険局と連携して情報を集め皆様に提供していきたいと思います。当会へのご協力を今後とも宜しくお願い致します。

 

・・・・・ 「財務部からのお願い」 ・・・・・

 会員の皆様、常日頃お世話になっております。皆様からの会費によって、本会の運営が成り立っており感謝しております。会費は大事に使わせていただいておりますので、今後とも会費の早めの納入を宜しくお願いいたします。                    (財務部長:川口真実)

 ≪ 会費の振込口座 ≫

 ◎振替払込口座番号:01370-5-4095

 ◎振替払込口座加入者名:一般社団法人 広島県鍼灸マッサージ師会

 

 

 

 ・・・・・ 「広島県マッサージ協同組合より」 ・・・・・

本会所属の「広島県鍼灸マッサージ協同組合」は、健康保険取扱いの推進を目的とした発足した組織です。保険の療養費など複雑な申請事務作業を、初心者でも簡単操作で処理できる当組合独自のパソコンシステムを取り入れ、正確で早い事務処理を可能にしております。

この機会に、当組合に入会し、保険取扱いの業務を拡大しましょう。分からないことや疑問に思うことなど、相談に応じていますので、お気軽にお問合せください。

☆お問合せ先:  広島県鍼灸マッサージ協同組合

               〒732-0009 広島市東区戸坂千足1丁目1-21

               TEL:(082)229-1033   FAX:(082)502-5084

 

 

・・・・・ 「広報部より」 ・・・・・

≪ ホームページの閲覧下さい ≫

 本会ではホームページを開設しております。皆様にとって、より使いやすく分かりやすいかたちでの情報提供を実現するため、日々ホームページやフェイスブックを更新しています。
 またホームページを利用しやすいものにすると同時に、、研修会や理事会の報告、YouTubeによる映像配信など情報提供の向上にも配慮しました。また業界の繋がりを深め、多くの方々に本会の活動や私たちの声を知って頂くため、フェイスブックを開設しています。活動報告や業界の動きなどを載せていますので、ご自由にご意見やご感想などをコメントして下さい。今後もご利用いただく皆様のために、よりよい情報を提供することを目標に、内容の充実に努めて参ります。
URL : https://www.hskm.org/ 
メールアドレス : hiroshinkouhoubu@gmail.com

フェイスブック: https://www.facebook.com/hsm34/
ホームページについてのご意見やお気づきの点はお気軽にご連絡ください。

 

≪ メーリングリストについて ≫

本会ではメール配信を会員対象に運営しています。ホームページでは間に合わない緊急な連絡事項や研修会のお知らせ、各種情報などをメール配信でお知らせしています。ぜひご活用下さい。

希望される方は、新しいメールアドレス:hiroshinkouhoubu@gmail.com に、お名前、メールアドレス、件名に「メール配信希望」とご記入の上、メールをお送り下さい。師会の名簿にて確認後、登録完了メールをお送りいたします。 配信メールはパソコン・スマートフォンに対応していますが、ファイルを添付する場合、携帯電話によっては、自動的に削除される場合があります。またGmailで配信しますので、迷惑メールにならないよう設定をお願いします。

 

・・・・・ 「無資格者・違反広告対策」・・・・・

8月14日、広島県環境県民局消費生活課へ嘆願書を提出しました。

巷に溢れる病名や効果効能を掲載している看板広告等は、誰にでも効果効能があるような、科学的・医学的確証・根拠に乏しい表現であり、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法・優良誤認表示)に抵触し、無資格施術・有資格施術問わず違法であると弊会は考えております。有資格者の違法行為は保健所が是正指導を行いますが、無資格者の違法行為は保健所の管轄外のため、今回、景品表示法による是正指導と病名掲載や効果効能掲載の規制強化を消費生活課へお願いしました。会員・非会員に関わらず私たち国家資格を有する施術者は法規遵守のもと活動して頂きますようお願いします。

 

●嘆願書の内容

広島県 環境県民局 消費生活課 殿

 

弊会は、国民・県民の健康を第一に思い、安全な施術の提供がてきる社会作りを願い、日夜、整体やカイロプラクティックなど無資格者の粗暴抑制や資格制度の周知啓発を行っています。

無資格者の粗暴の代表例として、広告や看板に「腰痛」「ヘルニヤ」などの病名掲載や「~が治る」「~に効く」「腰痛専科」「~痛の改善」などの効果効能掲載があります。この誰にでも効果効能があるような、科学的・医学的確証・根拠に乏しい表現は、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法・優良誤認表示)に抵触し、無資格施術・有資格施術問わず違法であると弊会は考えております。

しかし残念ながら、弊会で取締りを行っても、発見できる広告や看板などの違法掲載は氷山の一角であり、また国家資格者の違法掲載は、保健所の是正指導の対応により抑制を掛けることができますが、無資格者の違法掲載に関しては、保健所は管轄外で対応して頂けないため抑制を掛けることができず、日々増加する一方です。

国家資格者は、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に定められた広告規制や名称規制など法規を遵守して施術に携わっています。一方、無資格者には、法律は適用せず、病名や効果効能掲載による誇大広告が平然と行われています。これでは、受療者に対して正確な施術所選択ができない状況であります。

国民の多くは、未だに有資格者も無資格者も同等として見なしています。むしろ資格制度自体知らない現状があり、無資格者の手荒な施術を受け、身体に支障をきたす例が国民生活センターで多数報告されています。人の身体に触れて施術することは危険の伴うものです。そのために国の認める「資格制度」があるのです。例え需要があるとしても無資格施術は健康被害の助長、公衆衛生を乱しています。

安全な施術の提供がてきる社会作りを願う我々団体の気持ちをご理解の上、是非とも、景品表示法による是正指導と病名掲載や効能掲載の規制強化をお願いします。

 

 

≪ 入退会者 ≫    

令和2年12月31日現在会員数:202名

 

・入会者 8名  安保 威徳   金山 敏治  兼長 博史  蒲田 銀司郎 

           駒井 美代子  正路 航  須澤 友博  西岡 義豊 (敬称略)

*多くの先生方の入会お待ちしております。ご紹介宜しくお願いします。

  

・退会者 7名  / 物故者 なし

 

≪ 編集後記 ≫

 最後まで広報誌を読んで頂きありがとうございます。副会長兼広報部長の郷田大介です。

今年はコロナの一年だったと誰もが感じていることと思います。「消毒液がない」「介護施設での往診が打ち切られた」「密になることを危惧され来院者数が減った」など、コロナによって、ご苦労された先生方もおられると耳にしております。また、これから、この業界に入ってくる専門学生も就職先が少なくなり就職活動が難しくなっているとの話も伺っております。皆が大変だった、この一年考えさせられることばかりでした。

数か月前に、当院近隣のホームセンターでコロナが発生した際は、「男性店員らしい」「女性店員らしい」「夜の街でもらったらしい」「ホストからもらったらしい」「近くのクリニックに行ったらしいから、もう行きたくないね」「もう勤務に戻っているらしい」など情報源不明な噂が多発しました。

皆、自分の持つ情報が正しいと思い込み共有・共感しようと話してきました。今回のコロナで、私は人の恐ろしさを学び、コロナより人が怖くなりました。

この業界の皆さんも個人事業主全体にも当てはまることですが、地域密着で仕事され、住まいや親族も子供の通う学校も患者に把握されていることもあります。もし自分が感染したらと考えると実に恐ろしいです。「GO TO」と世の中は経済対策とはいえ数万円の得のために動きを始めていますが、私たちの治療家や個人事業主が感染した場合、損害は数万円どころか、下手をすれば、その何百倍と降りかかってきます。個人的には、コロナの毒性より人々の持つコロナに対する恐怖心という毒性の方が強いと感じます。コロナより人が変異したかもしれません。

しかし私たちは、この「人の変異」に対しては治療ができると思います。治療は簡単、正しい情報を伝えることです。「インフルエンザ予防接種でコロナもカバーできるんでしょ」「マスクをすれば大丈夫でしょ」「コロナになったら後遺症がすごいんでしょ」「食品からコロナがうつるんでしょ」「ワクチンすれば感染しないんでしょ」という考えを持つ方は意外と多いです。マスゴミも加担しているかもしれませんし慣れもあるでしょうが私たちは医療人として正しい情報を伝えていけば少しずつ良い変化をもたらすのではないかと思います。正しい情報は安心に繋がり、安心があれば、心は落ち着き平常を取り戻します。心と体は共同体です。結果、体も快方へと向かうことでしょう。

病んだ世の中、皆が仲良く健康で平和に暮らすためには私たち治療家は何ができるか、試されているのかもしれません。

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