
学術研修とは
広島県鍼灸マッサージ師会では会員の皆さまに役に立つ学術研修会を開催しています。
平成22年度から、広島県鍼灸マッサージ師会は、生涯学習認定制度を実施しています。
広島県鍼灸マッサージ師会会員で年間で25単位以上を認定されると東洋療法研修試験財団から生涯研修修了証が交付されます。
学術研修会は、一つの分野に固着せず、幅広く多角的に活用しやすい内容で開催しています。
まだ参加したことがない方、是非お気軽にご参加ください。
学術研修会報告
令和5年度 第三回 学術研修会報告
理事 兼田昭宏
12月3日(日)IGL医療福祉専門学校にて、第三回学術研修会を開催しました。41名(会員・会員外・学生)の出席がありました。
御講師に、四国医療専門学校の副学校長として、後進の育成に従事されタクティールケアも本学授業で長年ご指導されておられます。メディアではラジオ放送を20年間継続され、鍼灸の啓蒙(けいもう)活動にも力を入れておられる大麻陽子(おおあさようこ)先生をお迎えし、午前の部「講義」・午後の部「実技」のテーマで御講演頂きました。
タクティールケア(柔らかく包み込むように触れるスウェーデン生まれの手技)は、1960年代にスウェーデンで未熟児のケアを担当していた看護師らに考案された触れるケアです。
午前の部では、基礎知識・実践例・効果について余すところなくお話し下さり、手技のルールとして速度(1秒に5cm)・時間(10分間以上)・タッチング5ポイントの重要性を教えて頂きました。
午後の部では、12グループに分かれてタクティールケア手技のルールを基に実技を分かりやすく丁寧にご教示頂き大盛況のうちに閉会いたしました。
この度は、IGL医療福祉専門学校さまのご協力により、研修室・実習室・御講師控え室・駐車場を整えて頂きスムーズな進行ができ、会長をはじめ役員一同心より感謝申し上げます。
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令和5年度 第二回 学術研修会報告
理事 兼田昭宏
10月1日(日)広島市西区区民文化センター大広間(和室)にて、第二回学術研修会を開催しました。24名の出席がありました。
御講師に、森ノ宮医療大学の准教授として後進の育成に従事され鍼灸師として臨床の最前線で多くの経験と知識で素晴らしい活躍をされており、執筆された論文も高い評価を受け業界期待の増山祥子(ますやましょうこ)先生をお迎えし、午前の部「講義」・午後の部「実技」のテーマで御講演頂きました。
午前の部の講演では、「全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるように」というスローガンのもとに、患者ひとりひとりに質の高い治療やケアを提供するため、多職種がチームとなって専門職が連携し合う多職種連携医療モデルが推奨されている中で、がん緩和ケアにおける鍼灸の役割についての講義でした。
*浮腫としびれに対する鍼灸治療
*がん患者に生じる痛みの原因
*病院病棟で行う鍼灸治療
*自宅療養中のがん患者への鍼灸治療
*緩和ケア(palliative care)定義
など、について余すところなくお話し下さいました。
午後の部の講演では、講義(午前の部)内容の質疑応答から始まり出席者の方々の質問へ親切にご対応下さいました。
実技では、特有の体位とパルス療法を被験者に施術されながら、要注意点やがん患者さんの特徴などを分かりやすく丁寧にご教示頂きました。
がん患者さんが望むこと
*食べれること
*歩けること
緩和ケアとは患者さんご自身だけでなく、家族の皆さまにも寄り添うことだと話して頂き感極まられる場面もございました。施術者が誠意を持って携わることの重要性や鍼灸が緩和ケア手段のひとつとして貢献できることを期待すると話して下さり、大盛況のうちに閉会いたしました。
この度、ファイテン株式会社の沖秀行さんに出席していただき、商品説明・無料体験実施を行なって下さいました。
また今回もアンケート実施し、満足度100%と回答下さいました。多くの皆さまのご協力により有意義な研修会となり次回研修会にも反映させてまいります。
参加者の皆様が率先して会場準備・後片付けを手伝って下さりスムーズな進行ができ、会長をはじめ役員一同心より感謝申し上げます。
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広島県鍼灸師会主催
第39回広島県学術大会 参加報告
業務執行理事 副会長 森下 孝夫
令和5年7月30日第39回広島県鍼灸師会学術大会に参加しました。発表内容について簡単に報告します。
「鍼治療と筋膜リリース」というタイトルでした。
コリや疼痛しびれなどの症状が、筋膜が癒着することが原因で起こることを、筋膜性疼痛症候群「MPS」と言います。
筋膜の癒着が原因なので、筋膜の癒着をリリースしないと、治療の効果は上がらないという事になります。
最近、医療機関では、エコーガイド下筋膜リリース法が盛んに行われるようになってきています。
エコーガイド下筋膜リリース法とは、エコーで筋膜の癒着しているところを撮影しながら、
注射針が癒着の部位に着いたら生理食塩水を注入して、筋膜をリリースをする方法です。
これを行うと、筋膜の癒着が解消されて、長年苦しんでいた頑固な肩こりや腰痛も劇的に治ります。
我々鍼灸師にとってすごい強敵が現れたような気がします。
しかし最近になってある動画で、鍼を打つことでも筋膜リリースが出来るということを知ることが出来ました。
エコーで撮影をしながら、筋膜が癒着しているところに鍼を刺して雀琢を10回ぐらいすると
筋膜の癒着しているところに隙間が出来て、筋膜リリースが出来る事が分かったのです。
エコーを持ってなくても、筋膜の癒着している所には圧痛があるので、触診で正確な位置を確認して、そこに刺入します。
癒着している部分に鍼が到達したら雀琢を10回ぐらいすると、筋膜の癒着しているところに隙間が出来て、
筋膜リリースが出来ます。
筋肉をほぐすとか、筋肉の緊張を取るということは大事かもしれませんが、筋膜に癒着が有り、
それが原因で症状が出ているのなら、筋膜をリリースすると言うことを、
治療に取り入れることが治療効果をあげるためにとても大事なことではないでしょうか。
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令和5年度 学術研修会等報告
理事 兼田 昭宏
7月9日(日)西区民文化センター大広間(和室)にて、第一回学術研修会を開催しました。
大雨による交通障害が発生するなか、41名の出席がありました。
御講師に、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ師として、25年の臨床経験をもたれ、欧米やアジア各国など国内外で鍼灸の御指導にあたられ、ストレスケアやこころの病気に対する経絡治療とTSTてい鍼術が専門分野の船水隆広(ふなみずたかひろ)先生をお迎えし、TST(Takahiro Style Technique) について第一部「理論」・第二部「実践」のテーマで御講演頂きました。
第一部の講演では、TST(TAKAHIRO STYLE TECHNIQUE)てい鍼(鍉鍼)術とは〜理論〜についてお話し下さいました。
様々な刺さない鍼のご紹介からTST専用てい鍼「さざなみ」誕生のご説明がありました。(1本1本手造りされている)
また素材による違い(金・銀・銅・ステンレス・チタン・水晶)で疾病状態の変化により使い分ける事の重要性を教えて頂きました。
道具への心配り「例:鍼同士がぶつかると傷が入り気の流れが悪くなる」を第一にされ、
気の考え方(気を注ぎ流すことを目的)・学ぶ姿勢(守破離・真行草)・鍉鍼治療の可能性・術式について
余すところなくお話し下さいました。
第二部の講演では、TSTてい鍼(鍉鍼)術とは〜実践〜についてお話し下さいました。
術式「波紋・さざなみ・五月雨・霰(あられ)・雷(いかづち)・稜線・双龍」を参加者全員の前腕部に施術してくださり、
実体験を通して学ばせていただきました。
また、被験者による腹部・頭部・頸部の実践を分かりやすく丁寧にご教示頂き大盛況のうちに閉会いたしました。
この度、アンケート実施にもご理解を頂き回収率も9割以上で100%の方が研修会の内容に『満足』と回答下さいました。
多くの皆さまのご協力により有意義な研修会となり次回研修会にも反映させてまいります。
参加者の方々が率先して会場準備・後片付けを手伝って下さりスムーズな進行ができ、
会長をはじめ役員一同心より感謝申し上げます。

















